Webレポート
釧路湿原周辺における再生可能エネルギーと生物多様性の両立に向けた取り組み
【釧路市】釧路自然保護協会 Webレポート
◆団体名 釧路自然保護協会
◆事業名 釧路湿原周辺における再生可能エネルギーと生物多様性の両立に向けた取り組み
釧路湿原周辺において急速に建設が進む太陽光発電施設については、景観や観光、自然環境、生物多様性、防災などの観点から課題が山積し、再エネ導入にあたって様々な地域との軋轢が生じて います。これらの課題解決を目指して本事業を実施しました。
(1)重要生態系マップの作成、希少種生息データの収集現在、釧路湿原周辺自治体において再エネの立地適正化に向けた施策が行われています。本事業ではこれらの取組を支援するため専門家や関係機関と連携して希少動植物生息地や、植生等の情報についても衛星画像分析や現地調査等に基づく地図を作成し、釧路湿原自然再生協議会ウェブペー ジ「太陽光発電事業計画策定にあたって配慮すべき希少種の生息地について」(釧路湿原自然再生 協議会サイト)において公表しました。
(2)市民参加・対話型勉強会「もっと釧路湿原勉強会」の開催 市民とこの問題についての理解を深めることを目的とし て専門家、市民を対象とする対話型の勉強会「もっと釧路湿原勉強会」を開催しました。
① 5月11日(土)には、NPO法人トラストサルン釧路の黒澤信道理事長や泉知明氏ほか3名の演者から湿原保護の取組や課題について話題提供。 参加者は112名(会場 60名、オンライン52名)
② 7月20日(土)には、もっと釧路湿原学習会「浸食さ れる釧路湿原!有効な条例を立てるには?」 講師:河野博 子氏(ジャーナリスト)、照井滋晴氏ほか3名参加者は1 21名(会場70名、オンライン51名)
(3)自治体職員向け勉強会の開催釧路市等釧路湿原周辺自治体では現在、再エネの適正導入に向けた施策が進められています。しかしながら、希少種生息情報の地図化やゾーニング等専門的知識やノウハウが求められるために現状としてはなかなか。
そこで、6月3日(月)には、釧路市等自治体などの行政職員を対象に「再生可能エネルギーの 適正導入に向けた学習会」(会場:釧路市交流プラザさいわい)を開催しました。勉強会では、太陽光発電施設に対して先進的施策を進めている兵庫県や全国の事例について三橋弘宗氏(兵庫県立人と自然の博物館)に環境アセス制度や太陽光発電施設の立地適正化のための施策等について話題提供していただき、学び合う場となりました。(参加者40名)
(4)シンポジウム「釧路湿原の開発と保護の歩みに学びこれからを考える~岐路に立つ周辺湿地~」の開催 9月23日(月)には、緊急シンポジウムを開催しました。 新庄久志氏、黒澤信道氏、長谷川理氏による講演の後に齊藤慶輔氏、清水たつや氏、蝦名大也釧路市長も交えてパネルデ ィスカッションで活発な議論が交わされました。参加者は 215名(会場110名、オンライン105名)でした。 最後には、議論を踏まえて釧路市への提言をまとめました。