Webレポート
ウトナイ湖サンクチュアリ・ネイチャーセンターサポーター活動
【苫小牧市】 公益財団法人日本野鳥の会ウトナイ湖サンクチュアリ Webレポート
(事業概要)
日本野鳥の会では、ラムサール条約および国指定鳥獣保護区特別保護地区に指定されているウトナイ湖の保全に加え、法的な保全の網掛けで守られていない弁天沼周辺、美々川、勇払川、安平川、浜厚真地区等、勇払原野全体のラムサール条約等を目指した活動に力を入れています。広大な範囲を守る私たちレンジャーの活動を地域の皆さんにボランティアとしてサポートいただく「ウトナイ湖ネイチャーセンターサポーター」活動を、いただいた助成金で進めています。今年度は37名の方に登録いただき調査や管理活動などでサポートいただきました。今年度の活動で特に大きな2つの内容をご報告します。
■「ウトナイ湖・クリーンアップ」
一般の方のカヌー乗り入れができないウトナイ湖ですが、河川管理者の北海道胆振総合振興局や、環境省、苫小牧市に許可をいただき、地元の保全意識の高いカヌー事業者「Gateway Tours」によるプロのカヌーガイドの協力の元、5月31日と6月1日にゴミ拾いを実施しました。
道路や住宅地が近いウトナイ湖西岸を重点的に、総勢28名で実施しました。カヌーに乗り、たも網や、火ばさみを駆使しながら、主に岸辺に打ち寄せられたペットボトルや、飲食物のプラスチックごみを回収しました。回収するもの大変な工場関連の大きな産業ゴミのほか、業務用のプラスチックトレイやポリタンクも目立ちました。サポーターのメンバーは、カヌーの進行を阻むウトナイ湖の泥や、たも編みに絡む鋭い棘つきのヒシの実など、ウトナイ湖ならではの難所を乗り越えてゴミを拾いました。今回のクリーンアップでは、大人から子どもまで様々な世代が、それぞれが持つ知識とスキルでサポートしあいながら2日かけて45ℓのゴミ袋15個分とその他大型ごみを回収ました。「ウトナイ湖のゴミ拾いは、日本野鳥の会とサポーターだけではなく、ウトナイ湖に関わる産官学民すべての主体が協力して取組むことが大事ではないか」との声も聞かれ、次年度以降は、関係各所に広く協力をお願いし、活動を続けていきたいと考えています。
■日本鳥学会大会でサポーターメンバーがウトナイ湖の鳥類層の変化を発表
9月14日に、日本鳥学会大会2025が北海学園大学で開催され、小・中学、高校生のサポーターメンバー12名が、ウトナイ湖畔で毎月行っているスポットセンサス調査(森林、草原、湿原環境の鳥類調査)の結果と、40年前からの当センターで行っていた鳥類調査の結果と比較をし、その変化について発表を行いました。こうした学術的な場で発表をするのは全員初めてのため、要旨の作成、ポスター作成、発表練習などの講座を通してしっかりと準備をしたうえで、当日を迎えました。
学会会場では、ウトナイ湖の乾燥と森林化の問題が、鳥類相にも表れている結果を来場された研究者を含む学会員にお伝えすることができました。中には、40年以上前のサンクチュアリの開設当初の自然環境を知っている方や、以前に調査等でウトナイ湖を訪れたことのある方などもいらっしゃり、当時の様子と比べながら聞いていただけました。そして多くの方から、「これからも活動を続けていってね」と暖かいお言葉もいただきました。
今後は、引き続きのウトナイ湖スポットセンサス調査に加え、工場進出等による周辺開発の進むウトナイ湖流域河川での水鳥&水質調査などを、サポーターの皆さんに実施していただく予定です。
公益財団法人日本野鳥の会ウトナイ湖サンクチュアリ
ウトナイ湖サンクチュアリ・ネイチャーセンターサポーター活動
日本野鳥の会のウトナイ湖サンクチュアリ・ネイチャーセンターでは、工業都市に残されたウトナイ湖、弁天沼、美々川を含む勇払原野を中心とした湿地やそこに生息する希少鳥類等の生息地保全活動を行なっています。 保全のための調査や管理、自然に親しみ貴重な自然を守りたいと思っていただくための普及活動等をレンジャーが行っていますが、未来に渡り持続的にこの湿地環境を守っていくために地域の中高生8名を含む34名のサポーターの皆さんと共に活動を行なっています。