Webレポート

事業名

集落の水道水源河川に、希少魚類のふるさとを増やそう!

【幌加内町】 「特定非営利活動法人 シュマリナイ湖ワールドセンター」 Webレポート

「NPO法人シュマリナイ湖ワールドセンター」は、北海道・北海道コカ・コーラボトリング株式会社・公益財団法人北海道環境財団の協働事業「北海道 e-水プロジェクト」の支援を受け、幌加内町の身近な河川における希少魚類の生息環境の改善と、地域住民・専門家・企業との信頼関係の構築を目的として本事業を実施しました。本事業は、地域住民が慣れ親しんだ川の営みを学び直し、川との付き合い方を考えるきっかけとなることを目指したものです。

朱鞠内湖へ流入する河川には、雨竜川水系本来の遺伝子系統を持つイトウが生息しており、地域の象徴的な存在となっています。しかし、一部の支流では、河川の直線化や流速の単調化などにより産卵環境が失われ、イトウが姿を消してしまった場所もあります。また、住民が上水道として利用する身近な河川においても、魚が住みにくい環境が見られ、水道水の源となる川が抱える課題に改めて向き合っていただく必要がありました。

そこで本事業では、8月に「集落の水道水源河川に希少魚類のふるさとを増やそう!」をテーマに、「小さな自然再生」の取り組みとして、専門家による住民勉強会と河川内での魚巣の石組み作業を実施しました。住民勉強会では、全国で自然再生に関わる株式会社北海道技術コンサルタントの岩瀬晴夫氏、株式会社建設技術研究所の井上創氏を講師にお招きし、川の構造や魚の生態、流れの多様性の重要性について学び、誰もが参加できる川づくりの方法を共有しました。

その後の現地作業では、地元農家が長年畑に置いていた石を活用し、横断構造を造成することで水深・流速・河床材料を多様化させ、イトウの休息場所や産卵環境となる空間を創出しました。施工後には、石組み周辺に稚魚のイトウを放流し、実際に石組みに泳ぎ込む様子が確認され、環境改善の効果が期待できる大きな成果となりました。参加者からは、身近な川が“きれいな飲み水の源”であるだけでなく、“魚が住める環境であることの大切さ”を実感できたという声が多く寄せられました。また、自らの手で自然再生に関わる喜びや、「畑の邪魔者」である石から「魚の棲家」へと生まれ変わる過程を共有したことで、住民同士のつながりや達成感を生むきっかけにもなりました。さらに、イトウという象徴種の価値を再認識することが、地域の自然環境の維持管理や将来の資源利用を考える契機にもなりました。

今後は今回の取り組みをモデルとして、町内の他の河川にも同様の自然再生手法を広げていく可能性が期待されます。住民主体で環境改善を継続することで、朱鞠内湖の生態系サービスを高め、地域の暮らしや観光と調和した自然利用の促進につなげていきたいと考えています。本プロジェクトは、自然と人との関係をより良い形に再構築する第一歩となるものであり、一人でも多くの住民にこの取り組みが届くことを願っています。

NPO法人シュマリナイ湖ワールドセンター

特定非営利活動法人 シュマリナイ湖ワールドセンター
e-水コース

特定非営利活動法人 シュマリナイ湖ワールドセンター

事業名

集落の水道水源河川に、希少魚類のふるさとを増やそう!

私たちは、地域の人々から朱鞠内湖に訪れる多くの人々までを対象に、自然体験や環境保全等の活動、また、朱鞠内湖が癒しの場として世界中の人々が訪れるような素敵な空間を目指し、朱鞠内湖を愛する多くの人々の輪を広げ、そして自然と共生する暮らしや地域振興に寄与することを目的としております。 宿泊施設やキャンプ場の運営、釣りなどのアクティビティの提供、さらには朱鞠内湖に棲む希少種「イトウ」などの魚類の生態保全活動を行っております。