Webレポート
ため池百選 美幌温水溜池の水質調査
【美幌町】 「オホーツク魚類研究会」 Webレポート
北海道網走郡美幌町には、農林水産省の「ため池百選」に選ばれた道内唯一の地である美幌温水溜池があります。この溜池は、美幌町の基盤産業である農業を支えるとともに、様々な絶滅危惧種を育む場所となっています。そして、近年、このような溜池が持つ水質浄化の機能が注目を集めています。
そこで、本事業では、4月から11月までの間、毎月1回、流入口、流出口、溜池内の7箇所で採水をしました。採水調査 は、美幌高等学校農業クラブの生徒や地域住民と共に行いました。そして、採水した水は、北見工業大学水環境工学研究室において、全窒素、全リンなどの水質項目を測定しました。農業用水としては、不適切なほどの窒素分を含んでいた水が、溜池の中を通ることで農業用水に適するほど浄化された水になっていることがわかりました。また、リンも同様の結果が見られ、溜池が持つ水質浄化機能を明らかにできました。今後、さらに詳しく分析し、明らかになった結果は、学術雑誌に投稿する予定です。
また、8月9日10時から正午までの時間で、北見工業大学水環境工学研究室の駒井克昭先生を講師に、美幌温水溜池の持つ水質浄化の効果についてお話を伺いました。また、ご講演前には砂利や活性炭を使った水質浄化の実験や薬品による浮遊物の吸着実験を行いました。飲み水を浄化する仕組みを学ぶことで、水質について、興味を持っていただきました。
ただ、参加人数は、一般の方が13名で、定員を大きく下回ってしまいました。講演会のタイトルが「温水溜池の水質」としていたことから、一般の方や子供たちの関心を引くことができなかったのだと考えられます。今後は、講演会のタイトルを熟考し、多くの方の関心を引くようにできればと思いました。
オホーツク魚類研究会
ため池百選 美幌温水溜池の水質調査
私たちオホーツク魚類研究会は、オホーツク地域の魚類の生息状況や生態に関する調査研究を行う任意団体です。調査によって明らかになった知見は、彼らの保全・保護管理に活かしています。また、一般への普及啓蒙活動も積極的に行っています。