Webレポート
自走式アオコ・漂流ゴミ回収ロボの開発と回収物の処理と活用
【七飯町】大沼ラムサール協議会 Webレポート
◆団体名 大沼ラムサール協議会
◆事業名 自走式アオコ・漂流ゴミ回収ロボの開発と回収物の処理と活用
大沼ラムサール協議会では、北海道e-水プロジェクト助成金で自走式アオコ・漂流ゴミ回収ロボを開発し、大沼湖上に繁茂するアオコやプラスチック製品などの漂流ごみを回収し、処理と活用を考える事業を北海道大学大学院農学研究院生態環境物理学研究室 (山田浩之講師) と北海道七飯 高等学校科学同好会(顧問島宏明教諭) の3者協働で実施しました。
山田講師からロボットボートの構造や仕組みについてレクチャーしてもらいながら、科学同好会とともに駆動部となるロボットと浮きとなるフローター部分を作成した。フローター部分は、浮力を計算しながらペットボトルを組み合わせ作成した。駆動部を載せる部分やフローターの強度を増すためにBBQ用の金網を使用した。その際に籠になるように金網を設置し、比較的大きい漂流ゴミや落ち葉などを回収できるようにし、その後ろに網目サイズ100µmの網を設置し、アオコなどの細かいものを回収できるようにした。高校のプールにて、試験走行をおこない重心の調整や操縦技術を向上させた。
8月26日に開催された『走る×集める×捕る アオコ・ 漂流ゴミ回収ロボットボートコンペティション「ヌマロボ コン」 』では、北海道大学チーム、ラム協チーム、七飯高校チームの3チームが出場し、それぞれ工夫を凝らしたボートを作成し、性能を競った。
競技は、①自動航行性能、②ゴミ回収性能を競った。①は、あらかじめ設定したルートを制限時間内に走行できるかを競った。②は、アオコや漂流ゴミに見立てたペットボトルを制限時間内にどれだけ多く回収できるかを競った結果、七飯高校チームが優勝した。
その後9月ごろから大沼にアオコが発生し始めたので、ボートにて回収作業を行った。当初の予想とは異なり、100µmの網をアオコがすり抜けてしますことが分かった。そこで、網の中に脱脂綿を詰めて脱脂綿にアオコを吸着させることとした。 アオコを吸着させた脱脂綿は、乾燥させて水分を飛ばしたのちにワセリンを染み込ませ着火剤と なる「ワセリンコットン」を作成した。作成した着火剤は、ワセリンに付け込んでいない脱脂綿に比べ、10倍ほど長く燃焼し、着火剤として優秀な性能となった。 今後は、ロボットの性能向上や安定性、新たな利活用商品の開発、さらには今年度実施できなか ったアオコとマイクロプラスチックとの関係性などの調査も行っていきたい。

大沼ラムサール協議会
自走式アオコ・漂流ゴミ回収ロボの開発と回収物の処理と活用