Webレポート
ポータブル魚道をもっと使ってみよう
【美幌町】オホーツク魚類研究会 Webレポート
◆団体名 オホーツク魚類研究会
◆事業名 ポータブル魚道をもっと使ってみよう
2年目に入った私たちの活動では、さらに良いポータブ ル魚道をつくるため、香川高等専門学校にある実験室を訪問しました。この実験室では、実際に川の流れをミニチュア模型で再現することができます。そして、何よりすごいのが、流す水の量を自由に変えることができるので、川が増水した時の様子すら再現できるのです。様々な水の流れを再現しつつ、計測機器を使ってどのように木材を配置すれば、安全にポータブル魚道を運用することができるか調べました。そして、サケが遡上しやすいポータブル魚道の設置位置を考えることができました。次に、昨年の実験で破れてしまった布について、再検討しました。今回使う布は、カンバス生地で強度に加え、たくさんの水をためることができることがわかりました。
10月21日、いよいよポータブル魚道を使う日です。この日は、22人が集まりました。まず、ポータブル魚道を設置する前に、東京農業大学の福井翔先生からサケを遡上させることで得られる北海道の自然への効果をお話いただきました。次に、香川高等専門学校の高橋直己先生からポ ータブル魚道の解説を聞き、その後、実際に使うポータブル魚道の設置方法について、説明いただきました。事前説明のお陰で、現地では20分ほどでポータブル魚道が設置され、その後1時間ほどサケの遡上を観察しました。作業をした影響でサケが戻ってくるまで少し時間はかかりましたが、次々と遡上していくサケを参加者の皆さんとともに観察することができました。魚道の構造や設置位置を事前に検討していたので、昨年以上にたくさんのサケを遡上させることができました。多くのサケの遡上が落ち着いた11月16日にポータブル魚道を回収しました。綿製の土嚢袋と、魚道底面に浸けた布も一部破れていました。破れてはいましたが、ポータ ブル魚道の機能は損なわれることなく、運用することができました。今後は、布を2重にするなどの対応が必要だと感じました。
なお、今回の活動を実施するにあたり、サケの捕獲は北海道知事の特別採捕許可を、ポータブル魚道の設置には美幌町の普通河川占用許可を得て行いました。

オホーツク魚類研究会
ポータブル魚道をもっと使ってみよう