Webレポート

事業名

コンクリートで平らに固められた川のためのポータブル魚道

【美幌町】オホーツク魚類研究会 Webレポート

◆団体名 オホーツク魚類研究会

◆事業名 コンクリートで平らに固められた川のためのポータブル魚道

秋、木の葉が色づき始めるころ、海での暮らしを終えたサケ達が生まれ 故郷の川に帰ってきました。しかし、私たちの暮らしを守るため、コンク リートで固められ、ダムが造られた川は、サケの行く手を阻みます。

 

私たちオホーツク魚類研究会は、網走川水系の支流で、サケの遡上を助けるために持ち運びができる魚道(ポータブル魚道)を設置しました。今回、ポータブル魚道を設置した場所も、前述した川と同様に、川底と川岸 がコンクリートで固められており、水深が浅く、水の流れが早くなっています。そのため、サケは、上流に遡上することはできなくなっていました。

 

10月22日、地域の皆さんと協力してポータブル魚道を設置しました。参加者は、小学生が4名、大人は12名で、遠くは東京都からいらした方もおりました。参加者からは、「簡単な材料で川の流れが改善できることに驚いた」や「環境にとても良い取り組みだ」という感想が寄せられ、活動を通して、環境保護の意識を醸成できました。もちろん、ポータブル魚道を設置するとすぐに、たくさんのサケが遡上していきました。 

 

一方、プラスチック素材を使わない魚道づくりを目指しましたが、完全にプラスチックを使わない魚道をつくることができませんでした。また、今回の実施場所は、川底にコンクリートの石が張り付く特殊な環境で、魚道の構造に様々な検討を要しました。しかし、長期運用すると魚道が破損してしまいました。魚道に使う素材や構造について、今後検討を続けていきたいと考えています。 

 

最後に、ポータブル魚道の取り組みは、動画作成のプロフェッショナルに依頼し、YouTubeなどを使って発信しました。私たちの取り組みを参考に、 多くの地域でポータブル魚道の利用が進み、困っているサケが川を遡上できるようになっていくことを望みます。

 

なお、今回の活動を実施するにあたり、サケの捕獲は北海道知事の特別採捕許可を、ポータブル魚道の設置には美幌町の普通河川占用許可を得て行い ました。

オホーツク魚類研究会
e-水コース

オホーツク魚類研究会

事業名

コンクリートで平らに固められた川のためのポータブル魚道