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事業名

日本最北のお米作りチャレンジ‼ 水田ビオトープと湿地の恵みの創出

【浜頓別町】クッチャロ湖等保全対策協議会 Webレポート

◆団体名 クッチャロ湖等保全対策協議会

◆事業名 日本最北のお米作りチャレンジ‼ 水田ビオトープと湿地の恵みの創出

 

現在、日本のお米栽培の北限地は北海道遠別町であり、浜頓別町に水田は存在していませんが、約70年前までは水田がありました。今や水田は重要な湿地として知られています。そこで、失われた「水田」という湿地をビオトープ として人工的に創り、「湿地の恵み」をいただくこと、0から湿地を創出するノウハウを実践から学ぶことを目的として本活動を実施しました。 

 

過去 2 年間、水槽やバケツを用いて野外と簡易なビニール温室でお米栽培に挑戦しており、まだ野外では栽培は難しいことが分かっているため、クッチャロ湖水鳥観察館横にビニールハウスを建てて栽培を行いました。育てたお米は 「はくちょうもち」です。浜頓別町ジュニアガイドアカデミーと共に取り組み ました。

 

4月、みんなで種まきを行い、それぞれが自宅で苗作りに取り組みました。5月には水田に手を突っ込むことすら未経験の子どもたちが、育てた苗を苦戦しながら植えていました。6-7月はぐんぐん成長する稲やどこからともなく集まってくるアマガエルやアカガエル、シマヘビ等を観察し、8月には稲の受粉を確認しました。稲穂が首を垂れるようになった10月上旬、稲刈りを行い ました。刈っては麻紐で結ぶ作業の繰り返し。大変な作業はまだ続きます。1 0月下旬、3時間かけて脱穀作業を行いました。湿地の恵みをいただくことの大変さ、ありがたさを実感しました。収量は籾付きで5.5kg、精米したお米で3.2kg(約 2 升)、これは昨年と比べて10倍です。努力が実り、本当に 嬉しく思います。11月には収穫祭として、餅つきを行いました。自分で育てたお米となると皆気合が入るようで、杵の取り合いになるほどの盛り上がりを みせました。つきあがったお餅は香りが強く、よく伸びてとてもおいしくいただくことができました。 

 

本事業を通して、ハウス内の人口水田とはいえ多くの生き物が集まってくる ことが分かりました。さらに、地域の方々も関心を持って足を運んでくださいました。集まってくるのは湿地の生き物だけではないようです。改めて、湿地が私たちに癒しを与え、恵みをもたらしていることを実感しました。まさに 「No Shicchi, No Life」です。 最終目標は路地で水田を創出することです。「可能ではないか?」と思うようになりました。課題は風です。本事業を含めたこれまでの結果から、風対策ができなければこの土地で水田の機能を果たすことは難しいと分かりました。これからも試行錯誤しながら水田の復活を目指したいと思います。

クッチャロ湖等保全対策協議会
e-水コース

クッチャロ湖等保全対策協議会

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日本最北のお米作りチャレンジ‼ 水田ビオトープと湿地の恵みの創出