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火薬庫の沢 子どもいきもの調査隊 ~見て・感じて・調べて・わかる~
【栗山町】栗山町ハサンベツ里山計画実行委員会 Webレポート
◆団体名 栗山町ハサンベツ里山計画実行委員会
◆事業名 火薬庫の沢 子どもいきもの調査隊 ~見て・感じて・調べて・わかる~
栗山町ハサンベツ里山計画実行委員会は、北海道e-水プロジェクト助成金で、ハサンベツ里山流域河川において、河川の環境美化及び子どもが自由に活動できるフィールド、生きもの豊かな川で遊べる環境を整えることを通し、青少年の五感を使った原体験やいい川づくりへの意識の醸成、親子をはじめ地域住民を含め幅広い年代の交流及び川や水の大切さを知ることをきっかけとし、郷土に愛着と誇りを持つ青少年の育成に貢献することを目的に次の事業を実施しました。
➀生き物調査隊の活動。 ②自然農園ドジョウのいる田んぼで稲作体験③河川に対する意識改革作戦の3つの事業です。
事業は、5月に【ドジョウのいる田んぼで稲作体験】の田植えを町内の子どもたちと一緒に行う予定でしたが、新型コロナウイルスの影響により子ども達を集めることができず、大人のみ少人数で行いました。 本格的に活動を再開したのは【生き物調査隊の活動】となり7月から始めました。 ニホンザリガニの生息できる環境を守ろうと、以前たくさんのニホンザリガニが生息していた沢地の河床を復元するため、ウエッジダムを作り河床をあげる作業を行いました。 また、新たにニホンザリガニがいることが分かった火薬庫の沢で、子ども達 と一緒にニホンザリガニの生息域調査を行い、ニホンザリガニが住んでいそう な穴を見つけるなど、どのような場所にニホンザリガニが生息しているのか調べました。当日はコンディションが悪く生態は一匹しか発見できませんでしたが、町内にある『ふるさといきものの里オオムラサキ館』に連れて行き、飼育・展示しております。次年度も引き続き調査を行う予定です。
次に北海道一のヘイケボタルの里を目指すため、ハサンベツ川上流から火薬庫の沢までの約2㎞に及ぶ河川沿いにホタルが飛び交うエリアとするため、火薬庫の沢の環境を確認しました。 ホタルの幼虫のエサとなるカワニナの生息を確認し、今後も数が増えるように、たくさん生息しているハサンベツ川から火薬庫の沢へカワニナとホタルの幼虫を放しました。7月13日から18日までの期間でホタルの成虫観察会をハサンベツ里山で実施しました。たくさんの人が訪れ、延べ 256 名が参加しホタルが飛び交う姿を見ていただくことができました。 しかし、ハサンベツ川のホタルの発生状況を見ると上流と下流にはたくさんのホタルが飛び交っているのに対し、中流域ではホタルがあまり飛んでいないことが分かりました。 その為、今年はこのハサンベツ川の中流域の河川改修を行い、ホタルをはじめたくさんの生き物の住みやすいエリアを造成する事業を行いました。ハサンベツの川にドジョウなど生きもの豊かな川へと改修するための石組みを行うものです。沢からの湧き水の流れの整備。重機を借上げ、石組み作業のための砂利や石の運搬を行いま した。 石組み作業は、流域生態研究所の妹尾所長に指導してもらい、実行委員会メ ンバーをはじめ、30名を超す多くの町民に協力してもらい、11月14日から実施しました。来年はここでもホタルが飛び交うのを見ることができるか楽しみです。
『自然農園ドジョウのいる田んぼで稲作体験』については、田植えは大人の みで行い、子ども達との活動は8月の生き物調査からスタートしました。 調査では、田んぼの中のタニシや、周辺を飛ぶトンボ類を捕まえるなど20種類以上の生き物を見つけることができました。9月には稲刈りを予定しておりましたが、新型コロナウイルス感染症が再度拡大したため延期して10月3日に子ども達21名とその保護者も一緒に稲刈りを行いました。昔ながらの鎌で稲穂を刈って、縛り、稲架がけをしました。縛るのが難しく子ども達は苦労していましたが無事にすべてを刈り取り稲架がけができました。11月7日には、21名の子ども達が参加して刈り取った稲を脱穀しました。脱穀したお米(もち米)は今後餅つきをして食べる予定です。新型コロナウイルス感染症の影響により予定どおり進まなかった稲作体験ですが、来年こそは田植えから餅つきまで子ども達に体験させてあげたい事業です。
最後に河川に対する意識改革作戦です。 この事業も9月に新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言が発令され予定を大幅に変更して実施しました。10月雨煙別川河川清掃を行い、実際に町の中を流れる川のゴミを拾い、50名の参加者は、その量の多さを体感しました。 また、サケやサクラマスが産卵やすい環境をつくるため、伏流水が流れやすいようにと河川清掃の参加者で、雨煙別川の中州の砂利を掘り返し砂利についた土砂を取り除きました。 その後、サケの産卵が確認されており来年自然孵化できるか楽しみです。
今回の事業をとおし、子どもたちそして大人にも水辺に生息する生き物に関心を持ってもらうことができました。実際にホタルの幼虫を川へ放し、夜光るホタルを観察することができ、子どもたちそして保護者も含め関心の高さがうかがえ、次につながる取り組みになったと感じています。今後も、子どもたちと故郷の川で様々な体験ができ、『ふるさとの川は、いい川だったね』と思ってもらえるような活動を行っていきたいです。

栗山町ハサンベツ里山計画実行委員会
火薬庫の沢 子どもいきもの調査隊 ~見て・感じて・調べて・わかる~