Webレポート
自動撮影カメラによる人工湿地に飛来する水鳥類モニタリング
【帯広市】十勝川中流部市民協働会議 Webレポート
◆団体名 十勝川中流部市民協働会議
◆事業名 自動撮影カメラによる人工湿地に飛来する水鳥類モニタリング
十勝川中流部市民協働会議は北海道e-水プロジェクトからの助成金で、十勝川の中流域における相生中島地区にある人工湿地で、飛来する水鳥類のモニタリングを行うことを目的として自動撮影カメラを設置しました。昨年度からSDGsへの貢献に向けた活動として、もともとヤナギの単層林だった場所が、多様なハビタットへと変化したことにより創出された生物多様性を維持することを目的として、湿地環境の整備や生物のモニタリング調査を行 っていました。しかし、モニタリング調査を行う上で、採集によって生息の確認が可能な魚類や昆虫類と比べ、鳥類については一時的な飛来の場合は確認することが困難となります。そのため、今年度は自動撮影カメラを使用し、主に水鳥類の生息状況把握を行いました。また、採集が可能な生物に関しては、これまでと同様に現地でのモニタリング調査を行いました。
【自動撮影カメラによるモニタリング】
設置期間:令和3年4月22日~令和3年11月18日
設置台数:5台(水域3台、陸域2台)
撮影結果:鳥 類 6科9種 新確認2種 バン、キンクロハジロ
哺 乳 類 2科3種 新確認1種 エゾタヌキ(イヌ科)
【採集可能な生物の現地モニタリング調査】
実 施 日:令和3年6月19日 水生生物、昆虫類(トンボ類)、魚類
令和3年7月28日、10月23日 魚類(帯広農業高校との連携)
調査結果:水生生物 8 科8種 新確認1種 キハダヒラタカゲロウ属の一種
昆 虫 類 4科10種 新確認なし
魚 類 3科5種 新確認なし
今回の事業の結果としては、自動撮影カメラによって鳥類で2種と哺乳類で1種の新たな生息種が確認され、現地でのモニタリング調査でも水生生物で新たな生息種が1種確認されました。よって、湿地全体での生物種数は、昨年度の 212 種より4種増え216種となりました。湿地造成時の138種からの増加率も56%となり昨年度の54%よりも2%増加しました。また、自動撮影カメラの設置と、設置を周知させるための看板を湿地周辺に掲示したことで起こった変化として、例年、ゴミの不法投棄が目立っていましたが、今年度は捨てられるゴミの量が減るといった効果が見られました。
今後も当会では、SDGsへの貢献に向けた活動として、十勝川相生中島地区上流湿地の湿地環境を維持し、SDGsの目標達成年である2030年まで、現在も増加傾向にある生物種数を維持できるよう活動を継続したいと考えています。

十勝川中流部市民協働会議
自動撮影カメラによる人工湿地に飛来する水鳥類モニタリング