Webレポート

事業名

斜里川のイトウ見守りプロジェクト

【斜里町】Friends of Shari River 斜里川を考える会 Webレポート

◆団体名 Friends of Shari River 斜里川を考える会

◆事業名 斜里川のイトウ見守りプロジェクト

 

斜里川水系には現在でも僅かにイトウが生息していることが明らかになっていますが、産卵範囲は非常に狭いうえに、泥水の流入が多いこと、カワウの飛来が増えているなど不安定な環境にあることが解ってきています。このことからFriends of Shari River 斜里川を考える会では、北海道e-水プロジェクト助成金を活用して、産卵や稚魚の生息状況調査、産卵期の見守りを行うとともに、カワウ飛来調査を実施しました。

 

イトウ産卵調査では、斜里川のイトウ個体数の増減を把握するために、2002年から続けているものです。2021年は4月から5月にかけて延べ 71kmを踏査し、15個の産卵床を確認しました。過去5年の平均が21個ですので、やや少ない結果となりました。なお、イトウは1匹のメスが作る産卵床の数は、平均で3個といわれていますので、単純に割り返すと今年はメス5匹が産卵したことになります。ただし、見落としもありますので、実際のメス親魚の数はもう少し多いと思われ、10匹程度と推定しています。

 

産卵したあとの稚魚の発生状況や、その後の生き残りを把握するために、7月と9月に産卵域の下流側でイトウ稚魚調査を実施しました。毎年調査している複数の定点で稚魚を計数し、結果は7月に7 匹、9月に0匹でした。過去5年の平均は、7月に39匹、9月に5 匹ですので、かなり少ない結果となりました。これは今年の斜里川が異常渇水状態であったことと関係があるように感じています。イトウ稚魚調査では、イトウ以外にもヤマメやアメマスの稚魚も確認できるのですが、それらがみな小さく、痩せているのが感じられました。

 

また、斜里川では、2018年と2019年に計数できただけでも296羽というカワウが大量に飛来し、その際には生態系のバランスが崩れることが心配されました。今年の調査では、最大でも 18 羽と少数の飛来に留まり、心配される状況はありませんでした。 

 

以上のような調査活動に加えて、河川に関する行政との情報交換や啓発活動も行いました。新型コロナウイルスの感染状況に大きな影響を受け、難しい状況もありましたが、書面での実施なども組み合わせながら、工夫して行いました。今後も斜里川の豊かな恵みを多くの人が感じていけるように、活動を続けていきたいと考えています。

Friends of Shari River 斜里川を考える会
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Friends of Shari River 斜里川を考える会

事業名

斜里川のイトウ見守りプロジェクト