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事業名

環境共生型汚水処理システムの モニタリングと普及啓発

【余市町】特定非営利活動法人北海道エコビレッジ推進プロジェクト Webレポート

◆団体名:特定非営利活動法人北海道エコビレッジ推進プロジェクト

◆事業名:環境共生型汚水処理システムの モニタリングと普及啓発

特定非営利活動法人北海道エコビレッジ推進プロジェクトは、北海道e-水プロジェクト助成金で、環境共生型汚水処理システムのモニタリングと普及啓発事業を実施しました。

モニタリングについては、本事業で2019年に作成した、電気などのエネル ギーを使わずに生活雑排水を処理するシステム(以下、処理システム)のメンテナンスと、浄化能力の継続調査を実施しました。 

調査するサンプルは活動拠点である余市エコビレッジの台所から出る生活雑排水およびその処理水を用いました。2021年の8月20日から23日にかけて、通水する台所用水の排水量と、献立を記録しました。排水サンプルを計量し、その後処理システムに流して処理を行いました。こうして得られた3種類のサンプル(①排水の原水、②第1槽の処理水、③第2槽の処理水)を、処理システムを開発した日本工業大学の樋口研究室に送付し、解析を依頼しました。

普及啓発事業については、当初樋口先生を招聘し、処理システムの見学と会場を使用したワークショップを企画していましたが、COVID-19の影響でオンラ イン開催となりました。当団体の HPやニュースレター、SNS、メーリングリ ストを使って告知し、一般向けのオンライン講座として実施しました。 

オンライン講座は2021年の9月15日に実施し、35名が参加しました。 講義は発展途上国の水環境の現状の紹介、発展途上国や災害時に活用が期待で きる電力を使わない排水浄化法について解説いただき、最後に当団体に試験的に導入している処理システムの設置から浄化性能について紹介いただきました。処理システムの浄化性能については、透視度が①排水の原水ではわずか3.6cmと高い汚れであったのが、最終処理された水③では23cmまで向上し ました。また、排水の汚染を表す指標であるBODの値については、処理前の497mg/mlから処理後は68mg/mlと、汚れの86%が除去されていました。設置当初の2019年時点での平均除去率が80%であり、設置から2年が経過しても高い浄化能力が維持されていました。参加後のアンケートでは、「生活排水は自分の暮らしに直結するので、自分の住んでいる場所についても 気軽に知れる仕組みがあるといい」、「ネットで検索してもまだまだ情報が少ないと感じる分野なので、自学のためのとっかかりとなった」などのご意見をいただきました。 

今後も継続的なモニタリング調査によって効果の持続性を調べ、より多くの方に技術や考え方を広めていきた いと考えています。

特定非営利活動法人北海道エコビレッジ推進プロジェクト
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環境共生型汚水処理システムの モニタリングと普及啓発