活動報告
地域とともに作る植物標本集-ハーバリウム・霧多布-
【浜中町】特定非営利活動法人霧多布湿原ナショナルトラスト Webレポート
団体名:特定非営利活動法人 霧多布湿原ナショナルトラスト
事業名:地域とともに作る植物標本集-ハーバリウム・霧多布-
1.「ハーバリウム・霧多布」とは
特定非営利活動法人霧多布湿原ナショナルトラストでは、2011年より釧路市立博物館の指導を得ながら、地域のボランティアとともに、浜中町に生育する全植物の押し葉標本を作る活動「ハーバリウム・霧多布」を実施しています。出来上がった標本を、将来に渡って利用できる調査研究、環境教育の基礎資料とすることを目的としています。
2.実施日
2020年は以下の日程で合計4回実施しました。本来であれば参加者を広く募集するところでしたが、今年は新型コロナウイルス感染症拡大防止策として、6月は非公開で関係者のみで行い、8月に予定していた道外のイネ科の専門家を講師にお願いするのを断念しました。代わりに10月は道内のコケ植物の専門家に講師をお願いし、募集人数を制限して、公開型で実施しました。8月の水草調査は、初めて水中に入っての調査だったため、安全確保のために関係者のみで行いました。
・ 6月 21-22日 茶内湿原にて湿原植物の採集・標本の作製
・ 8月 5-8日 琵琶瀬小学校スケートリンク跡地にて水草の採集・ 標本の作製
・ 10月 12日 霧多布湿原センター周辺にてコケ植物の採集・標本の作製
・ 11月 18日 標本の台紙貼り・同定
3.結果
今回新たに採集できた植物は以下15種です。環境省における絶滅危惧種や、町内では初めて確認される植物を採集できました。(※は町内初確認)
環境省における絶滅危惧種:イトナルコスゲ・ヒメワタスゲ・カタシャジクモ※
北海道における絶滅危惧種:ヒメガマ※
その他:モウセンゴケ・ツマトリソウ・ヒトフサニワゼキショウ・ツルコケモモ・ミズドクサ・ヤナギトラノオ・キタグニコウキクサ※ムツタチゴケ※・カラヤスデゴケ※・アキウロコゴケ※・ジャゴケ※
4.今後の展望
今年度は新型コロナウイルス感染症の影響で、思うように公開実施できませんでしたが、水草やコケなど今まで実施してこなかった調査を実施し、町内初確認の種が多く確認できたのは、大きな成果だと思います。シャジクモ類については、専門家に同定をお願いしていますが、もしかしたら国内初確認かもしれないということです。身近な自然環境でも、まだまだ分からないことがあると思うと、大変興味深いです。
「ハーバリウム・霧多布」の結果は近い将来、浜中町の植物図鑑としてまとめる予定です。そろそろ図鑑作成に向けて、関係機関と準備を始めなくてはいけません。

特定非営利活動法人霧多布湿原ナショナルトラスト
地域とともに作る植物標本集-ハーバリウム・霧多布-