Webレポート

事業名

湿地環境の維持管理によるSDGsへの貢献

【帯広市】十勝川中流部市民協働会議

団体名:十勝川中流部市民協働会議

事業名:湿地環境の維持管理によるSDGsへの貢献     

 

十勝川中流部市民協働会議は、北海道e-水プロジェクト助成金で、十勝川における相生中島上流湿地で、SDGsへの貢献をするために3つの目標を掲げ活動を行いました。

  

○ 目標1「2030年までに温室効果ガスを45%削減する」

再樹林化を防止し湿地環境を維持することで、再繁茂するヤナギ林の伐採量を減らし、伐採時の重機等から発生する温室効果ガスを抑制させるというものです。4月20日~24日に、平成28年の台風による土砂堆積により半減した水域環境拡大と湿地環境維持を目的とした掘削作業を行いました。6月には掘削により裸地となった場所でクサヨシを播種することによるヤナギ抑制効果に関する試験も実施しています。2017年~2020年までの実績に基づき温室効果ガス排出量を計算した結果、2030年の温室効果ガス削減率は当初想定した45%を上回る55%の削減ができるという結果になりました。

 

○ 目標2「湿地環境の創出により49%増加した生物種数を2030年まで維持する」

この地区は元々ヤナギ単層林でしたが、湿地造成によって49%増加した205種の生物種数を維持するというもので、今年の湿地内の生物調査(鳥類、水生動物、トンボ類)を4~7月に事務局で実施し、魚類調査を地元の帯広農業高校生徒と連携し7月と10月の2回実施しました。その結果、新たに7種の新記録種を確認し、造成前138種だった生物種数が54%増加し212種となりました。

 

○ 目標3「32.4㎡/年のゴザ原材料のガマを提供し続ける」

アイヌ民族が伝統儀礼に使用するゴザの原料であるガマを湿地内での継続的な採集を可能にし、川づくりにおけるアイヌ民族文化とのパートナーシップと民族文化の伝承に協力するというものです。4月に生育面積拡大のための掘削を行い、5月には生育するガマの穂を刈り取り、水際に挿す活動をしました。また、帯広農業高校との魚類調査時に、当会のアイヌ民族のメンバー協力のもと、ガマの使い方の説明から実際にガマを刈り取る体験をしました。ゴザ編みについては、アイヌ民族メンバーによるゴザ編みをビデオ撮影し、10月開催の川づくり報告会(当会主催)で紹介しました。ガマ生育面積は、継続的な採集をするために1,523㎡が必要でしたが、昨年時点の1,358㎡から19%増加の1,673㎡となり、ガマの継続的な採集が可能となりました。

今回の事業では、以前からの活動とは異なり、数字目標を掲げ活動したことで、目標に対する結果を具体的な数字で評価することができました。また、今年度の生物調査は当会全体の行事ではなく、生物担当事務局員らによる調査であったため、今後は季節ごとに定期的にイベント化して実施し、当会全体で継続的なデータ採取に努めます。

  

今後も、SDGsが定める目標達成年の2030年までに各目標を達成させるため、湿地環境の維持管理とモニタリングを行い、当会としてSDGsへの貢献をしたいと考えています。

  

十勝川中流部市民協働会議

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e-水コース

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湿地環境の維持管理によるSDGsへの貢献