Webレポート

事業名

水生昆虫標本データベース化により河川環境を考える

【札幌市】北海道大学総合博物館 昆虫ボランティア水生昆虫グループ Webレポート

団体名:北海道大学総合博物館昆虫ボランティア水生昆虫グループ

事業名:水生昆虫標本データベース化により河川環境を考える 

 

北海道大学総合博物館昆虫ボランティア水生昆虫グループは、北海道e-水プロジェクト助成金で、博物館に収蔵されている水生昆虫の標本の一部を抜き出し、同定作業を行い、昆虫サロンでの発表・ミニ展示・データベース登録を進めました。

博物館の昆虫標本250万点の中には、多くの北海道で採集された水生昆虫が含まれています。それらを整理し、データベース化することにより、その時代の道内各地の河川環境を知ることができ、さらに今後の河川環境整備に活かしていけるのではないかと考えて、作業することにしました。

 

4月~11月にかけて、①収蔵されている標本の中から北海道内で採集された水生昆虫標本を抽出する、②抽出した標本を同定し分類別に整理する、③同定した標本の種名、採集日などの情報をデータベース登録する、④昆虫の種別に採集地マップを作成し、データの見える化の作業をしました。その結果、12科、68種、1,055個体の水生昆虫を分類群分けることが出来ました。

7月23日には、石狩川流域 湿地・水辺・海岸ネットワークさん主催の篠津湿地探索会@新篠津にも参加させていただき、30個体あまりのオオコオイムシ・ゲンゴロウ類・ガムシ類を採集しました。

10月30日の昆虫サロンでは、今回の活動の経緯や得られた結果について発表を行いました。多くの方が聞きに来られ、いろいろな質問やアドバイスをいただきました。

 

11月3日~11日には、北大総合博物館のラウンジをお借りして、「標本から見る北海道の水生昆虫」というタイトルのミニ展示を行いました。9日間という短い期間でしたが、大勢の来館者の方に見ていただくことができ、付箋に感想や絵を描いて貼ってもらいました。数人の昆虫研究者や自然愛好家が、この展示を目的に博物館を訪れてくれたこともありました。

 

今回の事業では、普段は整理するだけで終わってしまっていた標本たちをデータベース化し、昆虫サロンやミニ展示を通して、多くの方に知っていただくことができ、感想を聞かせていただくこともできました。また、札幌では絶滅してしまったであろう、シマゲンゴロウの「1936年札幌」のラベルのついた標本の発見は、専門家を唸らすほどの成果だったようです。今後は、マップ化、データベース化した標本を順次WEBサイトで公開し、さらに、収蔵庫内の水生昆虫の整理を進めるだけではなく、今回の事業でつながることができた他の団体の方と一緒に、水生昆虫の採集等の活動も実施していきたいと考えます。

 

北海道大学総合博物館昆虫ボランティア水生昆虫グループ

北海道大学総合博物館 昆虫ボランティア水生昆虫グループ
助成団体

北海道大学総合博物館 昆虫ボランティア水生昆虫グループ

事業名

水生昆虫標本データベース化により河川環境を考える