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事業名

羽幌ビオトープでの生物多様性評価のための調査

【羽幌町】羽幌みんなでつくる自然空間協議会 Webレポート

団体名:羽幌みんなでつくる自然空間協議会

事業名:羽幌ビオトープでの生物多様性評価のための調査 

 

私たち「羽幌みんなでつくる自然空間協議会」は、道北の港町「羽幌町」を流れる福寿川流域で、約7haのビオトープづくりを15年にわたり行っています。今年は「羽幌ビオトープでの生物多様性評価のための調査」と題し、春から秋にかけてビオトープ内の自然環境の調査を実施しました。

調査は、森の造成のため植樹された木の樹種や、その生育状況を調べる<樹木調査>、池や水路に生息する生物を調べる<水圏生物調査>、生息しているトンボの種類を調べる<トンボ調査>、この3つを中心に実施しました。

  

 <樹木調査>では、設定した調査区内の樹木を対象に、樹種・樹高・胸高直径の3項目について調査しました。ビオトープづくりに普段から携わっている当協議会のメンバーは、留萌振興局森林室による調査方法の指導を受け、6月17日と25日に調査を実施しました。また7月2日には、地元羽幌高校の生徒60名も調査に参加し、森林室職員や協議会メンバーの指導を受けながら調査を行いました。調査区内の573本の樹木について、樹種構成や生育状況を把握することができました。

  

 <水圏生物調査>では、専門家や協議会のメンバー、町民などがビオトープ内の3つの池(ほっかいどう池、ひょうたん池、水鳥池)とそれらをつなぐ水路で、魚類や底生生物の調査を行いました。調査の結果、ヤチウグイやドジョウ、ウキゴリなどの魚類、タニシやマメシジミなどの貝類といった生物が見つかりました。

 

 <トンボ調査>では、時期により出現するトンボの種類が変化するため、6~10月にかけて計4回の調査を行い、生息するトンボを調べました。また8月30日には羽幌高校60名、東海大学生物学部の学生11名も調査を行い、その際にはビオトープの他、町内の別地点(水稲圃場2か所)でも同時に調査を実施して種数の比較などを行いました。また、水路やため池の水を採取してパックテストを行うことで、トンボの生息場所の水質も調査しました。専門家、町民、高校生の調査により、ビオトープでは21種類のトンボが確認され、中には留萌管内では初確認された希少種なども含まれていました。

  

今年実施した調査によって、造成開始から15年が経過したビオトープの自然環境の状況が、少しずつわかってきました。そして、地元の高校生をはじめとする地域の皆さんと調査を行ったことで、地域の環境教育の場としてビオトープを活用することもできました。

今年度は樹木、水圏生物、トンボを対象に調査を行いましたが、来年度以降も取り組みを継続し、様々な分野(草花、鳥類、両生類、爬虫類など)の調査を実施したいと考えています。調査の継続によりビオトープの環境の実態を把握し、今後のよりよいビオトープづくりにつなげたいと思います。

  

羽幌みんなでつくる自然空間協議会

羽幌みんなでつくる自然空間協議会
助成団体

羽幌みんなでつくる自然空間協議会

事業名

羽幌ビオトープでの生物多様性評価のための調査