Webレポート
北海道の海洋環境と有孔虫
【札幌市】札幌市立北辰中学校科学部 Webレポート
団体名:札幌市立北辰中学校科学部
事業名:北海道の海洋環境と有孔虫
札幌市立北辰中学校科学部チーム有孔虫は、北海道 e- 水プロジェクト助成金で有孔虫を指標 とした北海道の海洋環境調査事業を実施しました。 石狩浜では有孔虫を発見できませんでしたが、銭函海岸と大浜海岸で見つかる有孔虫の種類は 異なっていました。また、有孔虫数は季節ごとに変化し、春ごろに最も数が多くなり、水温変化 と類似していました。さらに、溶存酸素量が減少した時、有孔虫数が増加しました。溶存酸素量 が減少すると海洋生物の活動が活発になる傾向があることから、有孔虫数の増加と溶存酸素量が 関連する可能性も示唆されました。大浜海岸では1回の砂採取で約500匹見つかり、高濃度で 有孔虫が砂に含まれていることがわかりました。
有孔虫の存在をより多くの人に知ってもらう目的で、札幌市円山動物園で行われた「サイエン ZOO ~動物園科学の日~」(10月8、9日)にブース(「砂から有孔虫を探そう!」)を出展し ました。ブースには2日間のべ約300人の人々が訪れ、「有孔虫ってキレイ!」、「有孔虫のこ とがよくわかりました!」、「有孔虫って虫なのですか?」など沢山の感想や質問をいただきまし た。 子どもたちにとって、1年を通して行った海での砂採取は楽しいだけでなく、特に冬や雨の日 は強風や荒波、寒さでより一層厳しいものでした。
しかし、そんな苦労の中から見つけた有孔虫 が小さな体で日々環境が変わる海の中を生き抜いているのだという思いを抱きました。四季を通 じて海の見せる様々な表情を目の当たりにし、より一層海が身近になった一方、自然に対する畏 敬の念も生じたようです。 地球温暖化で海洋の酸性化が進行すると有孔虫が殻をつくれなくなるのではないかと心配され ています。美しい殻を持つ有孔虫は、北海道が恵まれた海洋環境にあることを教えてくれました。 未来を担う子どもたちが、今回の活動を通し、美しい有孔虫が存在できる現在の恵まれた北海道 の海洋環境を守り、未来に引き継いでいこうとする意識を高めることにつながったと考えます。
札幌市立北辰中学校科学部

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北海道の海洋環境と有孔虫