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事業名

湿地の復元を目指してヤナギ幼木を抜き取りながら河川を清掃する

【帯広市】NPO法人日本野鳥の会十勝支部 Webレポート

団体名:NPO法人日本野鳥の会十勝支部

事業名:湿地の復元を目指してヤナギ幼木を抜き取りながら河川を清掃する

 

NPO 法人日本野鳥の会十勝支部では、北海道 e- 水プロジェクト助成金で、十勝川水系利別川下流部において、「湿 地の復元を目指してヤナギ幼木を抜き取りながら河川を清掃する」事業を実施しました。 「湿地の復元を目指してヤナギ幼木を抜き取りながら河川を清掃する」事業では、北海道開発局帯広開発建設部に よる治水事業後の河道掘削跡地にてシギ・チドリ類の水鳥類の休息・採餌が観察されたので、このような湿地環境 が維持されるよう、河道掘削跡地に生育し始めたヤナギ幼木を抜き取る作業を実施しました。同時に、川の中のゴ ミ清掃も実施しました。ヤナギ幼木抜き取り作業は平成 28 年 5 月に 2 回、7 月に 1 回、10 月に 1 回の合計 4 回実施し、当会会員以外にも参加を呼びかけ、のべ 66 名で約 30m×50m(約 1500 ㎡)範囲内において合計 26000 本から 27000 本のヤナギ幼木を抜き取り、シギ・チドリ類が飛来・休息できる環境の維持に寄与しました。

 

 5 月 1 日から 10 月 9 日までに 24 回の鳥類飛来状況モニタリングを実施した結果、27 科 64 種の鳥類を確認 し、春の渡り時期には 5 月 1 日~ 28 日に 12 回調査を行った結果、2 科 13 種 204 個体のシギ・チドリ類を確 認しました。

 

また、本事業において、湿地の生物について啓蒙・普及のために十勝地方の湿 地で見られる主な動植物を紹介した冊子(カラー A5 版 16 ページ)を 2000 部 印刷し、主に十勝管内の小中学校に理科教材用に配布しました。

 

今回の事業では、もっと広い範囲でのヤナギ幼木抜き取りができるものと想定していましたが、ヤナギ幼木の抜 き取り作業は思いの他重労働であり、4 回の抜き取り作業で約 1500 ㎡が精一杯でした。しかも、8 月の台風によ り、ヤナギ抜き取り予定地に 30cm 程の土砂が堆積したことに伴い、春から成長して伸びたヤナギ抜き取り作業は さらに困難となりました。また、ヤナギが生育している場所は、抜き取った後にも生育適地になりえるため、毎年 抜き取り作業を行うことが必要になるかも知れません。

 

今回の作業を通じて、人力によるヤナギ抜き取りによる湿地環境維持は予想よりも困難であることがわかりまし た。今後は人力ではなく、掘削後に自然に湿地環境が形成・維持されるよう、河道掘削方法を工夫していただくなど、 河川管理者に働きかけていきたいと考えています。

 

NPO 法人日本野鳥の会十勝支部

NPO法人日本野鳥の会十勝支部
助成団体

NPO法人日本野鳥の会十勝支部

事業名

湿地の復元を目指してヤナギ幼木を抜き取りながら河川を清掃する