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事業名

海と湿原のつながり調査プロジェクト

【浜中町】NPO法人霧多布湿原ナショナルトラスト Webレポート

団体名:NPO法人霧多布湿原ナショナルトラスト

事業名:海と湿原のつながり調査プロジェクト

 

特定非営利活動法人霧多布湿原ナショナルトラストでは、2016 年北海道 e- 水プロジェクト助成金 を受けて、「海と湿原のつながり調査プロジェクト」を実施しました。本プロジェクトは、森から湿原 を経て海へといたる流域の「つながり」を明らかにし、浜中町の豊かな海産物に付加価値をつけること で、漁業を中心とした経済活動と流域の環境保全が両立する町づくりを目指して、2012 年より調査を 続けてきました。2016 年はまとめの年として、1)環境教育プログラムとして機能するモニタリング 活動「アマモウォッチ」の実施 2)つながりフォーラムを開催しました。 2016 年のアマモウォッチは 6 月に実施し、浜中町立霧多布高校の生徒 9 名が参加しました。事前 にアマモ場に関するレクチャーを行い、当日はカヌーで現地に上陸して調査を行いました。調査の結果、 2016 年はおよそ 5 ~ 20%被度のアマモ場が広がっており、2015 年とほぼ変わらないレベルで繁 茂していることがわかりました。高校生からは「アマモがあることは知っていたけれど、こんなにいろ んな役割があることは知らなかった」「興味がわいた」などの声が聞かれました。

 

10 月 11 日には、これまでの調査内容を町民にお知らせし、今後の展望について議論する場として、 「海と湿原のつながりフォーラム」を開催しました。野外調査にご協力いただいた北海道立総合研究機 構林業試験場の長坂晶子氏と、北海道大学地球環境科学院の巴シン氏にこれまでの調査内容についてご 報告いただいたほか、総合地球環境科学研究所の石川智士氏、国立研究開発法人水産研究教育機構瀬戸 内海区水産研究所の堀正和氏にご講演をいただきました。フォーラムでは、地域住民の自然保護への意 識付けには、自然体験だけではなく「なぜ」「どのように」守るかを明確にする必要性や、自然環境の「つ ながり」だけでなく、産業間の「つながり」を意識し、様々なステークホルダーが同じテーブルについ て流域保全に取り組むことの重要性が指摘されました。

 

 環境保全を考える上で、モニタリングは「どのような環境であるか」を知る第一歩であり、管理保全 の手法が有効であるかを確かめるための最後の一歩でもあります。このようなモニタリング活動を、地 元の高校生とともに継続的に行っていける見通しが立ったことは大きな成果です。一方で、フォーラム の参加者が限定的であるなど、地域住民の意識喚起の難しさが改めて浮き彫りとなりました。今後は、 フォーラムでも指摘されたように、流域にかかわるすべての関係者が同じテーブルについて議論ができ るような場を作ることが必要であると考えられます。

 

特定非営利活動法人霧多布湿原ナショナルトラスト

NPO法人霧多布湿原ナショナルトラスト
助成団体

NPO法人霧多布湿原ナショナルトラスト

事業名

海と湿原のつながり調査プロジェクト