Webレポート
平成27年度 自然観察会及び田んぼの学校
【札幌市】特定非営利活動法人北海道田園生態系保全機構 Webレポート
団体名:特定非営利活動法人北海道田園生態系保全機構
事業名:平成27年度 自然観察会及び田んぼの学校
北海道e―水プロジェクトの支援を得て、自然観察会及び田んぼの学校を新十津川町字幌加で春 と秋の2回開催しました。 北海道は厳しい自然の中、わずか100有余年ほどで日本の食糧基地になりました。一方、田園 地域では自然環境や多様な生物の生息の場とする重要な空間が脆弱化してきているという認識に 立ち、この体験学習を通して水と自然環境と農業のかかわりあいを学び、田園生態系と周辺の自然 環境の保全を図るため平成13年から活動しています。 平成27年度は新十津川町をはじめ札幌、釧路、長沼の子供達が一緒になって、春86人・秋9 9人が参加し、専門家の指導のもとに、田んぼとその周辺の草木、昆虫などの小動物や野鳥、川と 魚等の自然環境と、植樹を実践しながら木の成長の役割を学んでいます。そして地元の農業経営者 が培ってきた農作業技術の手ほどきを受けながら、田植えから稲刈りにいたる一連の手作業の実践 体験をする活動を行っています。
お米がどうして主食になったのか、木の成長を阻む冬の気候、稲刈りではなぜノコギリと同じよ うな刃のついたカマを使うのかと予習をしてから、春は代掻きを終えて水を張った田んぼへ、秋の 稲刈りではこがね色した稲穂の中に入っていきました。 春、初めて入る田んぼに目をみはり、そしてすぐ、真っ直ぐ植える難しさを知ります。秋、ノコ ギリカマで刈った稲を抱えてハサかけしている場所に運ぶ。初めて取り組む子供達と、前の年に経 験して少し自信を持った子供達が一緒になって体験しています。
自然観察会では、初めて遭遇する昆虫、水生動物、植物に興味をもち、触れたり捕まえたりして の観察等を勉強しながら、山ブドウがなっている木の下に、普通のブドウのようになっている。食 べてみると「すっぱい」と返ってくる。だけど普通のブドウだよと教わる。 「こういう経験なかったの」「水の中冷たくても喜んでやっている」「去年と今年では行動が全然 違う。大人になってきている」「けっこう楽しんでいる」とお母さん達。体験学習の他、子供達の健 康にもほんの少しだけ力になっているかな。 自然環境と農業地帯の保全を図るには、継続していることが肝要と思います。
特定非営利活動法人 北海道田園生態系保全機構
理事長 常 松 哲

特定非営利活動法人北海道田園生態系保全機構
平成27年度 自然観察会及び田んぼの学校