Webレポート
海と湿原のつながり調査プロジェクト
【浜中町】特定非営利活動法人霧多布湿原ナショナルトラスト Webレポート
団体名:特定非営利活動法人霧多布湿原ナショナルトラスト
事業名:海と湿原のつながり調査プロジェクト
特定非営利活動法人霧多布湿原ナショナルトラストでは、2014年北海道e-水プロジェクト助成金を受けて、「海と湿原のつながり調査プロジェクト」を実施しました。本プロジェクトでは、森から湿原を経て海へといたる流域の「つながり」を明らかにし、浜中町の豊かな海産物に付加価値をつけることで、漁業を中心とした経済活動と流域の環境保全が両立する町づくりを目指しました。
本事業では、
1)河川の水質調査
2)上流と下流を行き来する生物ヨコエビの調査
3)漁業区ごとのホッキの食べ比べ会
4)沿岸における海洋調査
5)流域のつながりを知ってもらうための観察会
6)海産物の豊かさを知ってもらうためのウニ加工場体験ツアー
7)これまでの調査成果をお知らせする報告会を実施しました。
河川の水質調査は2014年6月まで毎月1回、道立林業試験場の協力を得て実施し、霧多布湿原を流れる河川が人為的汚染を受けていないこと、豊富な鉄と炭素を含むことがわかりました。
6月23日には北海道大学の協力を得て沿岸の海洋調査を実施し、湿原河川から沿岸へと流れ込んだ物質が海でどのように拡散しているかを推定することができま した。ホッキの食べ比べ会では、漁業区ごとにホッキの味の印象が異なっていることがわかりました。
9月に実施した観察会には町内外から7名の参加があり、河川と海の出会う場所である河口部で生きものの観察を行いました。地元の参加者からは「こんなに豊富な生きものがいるなんて知らなかった」という声が聞かれました。11月に実施したウニ加工場体験ツアーには地元霧多布高校の生徒32名が参加し、初めて触るウニを自分でさばき、折り詰めにして持ち帰るまでを体験しました。高校生たちが目を輝かせながらウニを加工する姿が印象的でした。
11月末にはつながり報告会を実施しました。参加者からは「やっと調査のスタート地点に立っ たようなもの、今後に期待したい」などの声が聞かれました。
今回の事業で、これまでなかなか調査できなかった沿岸のデータを集められたことで、湿原から海へのつながりの一端を明らかにすることができました。一方で、浜中町の水産物のブランド化までは到達できず、今後の課題が残りました。 今後は、地域産品のブランド化に向けて取り組みを続けると同時に、地元住民が自分たちの住む町の環境と産品の豊かさを知り、誇りに思えるように、環境について理解を深められるような観察 会やツアーを企画したいと考えています。

特定非営利活動法人霧多布湿原ナショナルトラスト
海と湿原のつながり調査プロジェクト