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事業名

「タイキ・フローラ」植生調査・観察会

【大樹町】一般社団法人 湿原研究所 Webレポート

団体名:一般社団法人 湿原研究所

事業名:「タイキ・フローラ」植物調査・観察会

活動場所:大樹町当縁湿原周辺の海岸草原

活動日(期間):2014 年 8 月 4 日(月)、(8 月 20 日(水))

参加人数:8 月 4 日 5 名、 (8 月 20 日 8 名)

 

湿原研究所では、十勝海岸湖沼群の自然環境に関する多角的な調査研究の一環として、地域住民が主体の植物調査グループ「タイキ・フローラ」による植物調査を月2回程度実施している。 「北海道e-水プロジェクト5周年記念特別活動」の助成を受け、助成金で野外での植物同定に必要となる携帯型の実態顕微鏡を購入した。これを活用し、8月はメンバー以外にも参加を呼び掛けて植物調査を実施することとし、湿原研究所会員へのメール、大樹町住民へ公共施設へのチラシの貼りだしなどで、参加を呼びかけ、8月1回目の調査日となる8月4日に調査・観察会を実施した。しかし、この観察会の日程で参加できなかった調査メンバーが多かったことから、顕微鏡を使った同定などをメンバーが習得する機会を補うため、8月第2回目の調査日(8月20日(水))を充てた。本助成を受けてのイベントとして登録したのは8月4日のみだが、併せて報告する。

 

〇8月4日(月) タイキ・フローラ植物調査/観察会

 時間: 8:30~12:00 天候:曇り→晴

 調査地点: 当縁川周辺の海岸草原

 参加者:5名

≪内容≫ 

定例の植物調査を一般参加を含む観察会として実施した。 屋内でブリーフィングの後、海岸から調査を始め、砂浜、河岸段丘の斜面から当縁側河口へと移動し ながら、植物観察と標本の採取を行った。現地での植物の観察や同定に、本助成金により購入した顕微鏡を用いた。参加者からは肉眼で見ている世界とはまた違うマクロの視点で見る植物の姿が面白いという感想が出た。2時間で砂浜で17種類、河岸段丘から河口にかけて21種類を観察し、うち5種類の植物を採集した。

 参加者は5名だったが、人数が少ない分、個々の参加者が主体的に植物の観察や採集を行い、また全員で情報を共有しながら進められるなど、少人数ならではのメリットもあった。 観察会終了後、採集標本の整理を行ったが、これも参加者が全員残って作業をするなど、植物調査に対する興味を深め、調査を通じた新たな人と人との交流を促進できたと感じている。 観察会の様子を参加者にまとめてもらい、ニュースレターとして湿原研究所会員へメール等で配信し、報告した。

 

〇8月20日(水)タイキ・フローラ植物調査

 時間: 8:30~15:00 天候:曇り→晴

 調査地点: 当縁川周辺の海岸草原

 参加者:8名

≪内容≫ 

この日は植物専門家で湿原研究所副理事の矢部和夫氏(札幌市立大学 教授)に同行いただき、指導を受けながら調査と標本整理を実施した。 8月4日の観察会に参加できなかったタイキ・フローラのメンバーもいたので、顕微鏡を用いた同定なども併せて指導を受け、扱いなどを学ぶ機会とした。

 

総括 

「タイキ・フローラ」の活動は、地域のメンバーが集まれるときに植物観察を行い、植物愛好家から調査者へと楽しみながらステップアップをしている途上にある。

本助成金により調査に必要な機材が充実したことで、メンバーの活動に対するモチベーションが高ま った。また観察会として実施した結果、少数でもメンバー以外の参加者が加わったことも活動の刺激となった様子である。メンバー以外の参加者は少なかったが、その分参加者に対して、深い体験の機会を提供でき、調査や活動の趣旨をきちんと理解していただいた上で、当縁湿原の植生やタイキ・フローラの活動に興味を持って頂くことができた。

これらの点から、今回の試みは今後の活動を継続していく上で非常に有益な成果を得られたと感じている。改めて本助成金を頂いたことに対し深く感謝し、メンバーをサポートしていきたい。

一般社団法人 湿原研究所
5周年記念特別活動

一般社団法人 湿原研究所

事業名

「タイキ・フローラ」植生調査・観察会