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事業名

「みずとみどりのまち南幌:環境再生・保全事業」

【南幌町】特定非営利活動法人ふらっと南幌 Webレポート

団体名:NPO 法人 ふらっと南幌(南幌町) 

事業名:みずとみどりのまち南幌:環境保全・保全事業 

事業概要:南幌町、幌向運河、有機農家水田、鶴沼周辺湿地。地域で、①幌向運河清掃活動、②ド ジョウ環境学習会、③ビオトープの観察・手入れ、ホタル放流・観察・調査、④シンポジュウム開 催 

 

NPO 法人ふらっと南幌は、北海道 e—水プロジェクト助成金で南幌町における多様な水環境の再生、

保 全事業とそれらを活用した普及啓発活動事業を実施した。 保全活動では幌向運河で平成 22 年 5、10 月に清掃、6 月に草刈りを行なった。秋の大清掃は水底をさ らう大規模なものとなった。草刈りは川下りの船着き場を中心に行なった。NPO 会員と町内有志が参加し、 水辺環境改善の一端となる活動となった。幌向運河、三重湖等での水質調査、水生生物調査は平成 22 年 8〜10 月に 3 回実施した。水質調査 5 項目を 5 カ所で行ない、生物調査は 4 カ所で行なった。9 月の調査 では「水中生物学習会」を同時開催し、小学生を含む 14 名が参加した。また幌向運河 3 カ所で水質試験 8 項目を検査し、この試験結果を含めた「水生生物学習報告会」を平成 22 年 10 月札幌国際大学教授酒井 健司氏を招き開催した。調査を継続しデータを蓄積することで環境の変化を捉え、今後の活動の方向性 を明確にできると感じた。 

再生活動はかつて湿原であったこの土地固有の植生復元を目標にビオトープ形成へ向けた調査学習活 動を行なった。幌向原野約 3.000 ㎡を実験候補地としたが、乾燥化が激しく長期事業となることから、 短期での実験地も求め選定調査を行なった。平成 22 年 8、9 月に外部団体協力のもと、新夕張川河川敷、 石狩市等で泥炭層や湿原復元実験を観察調査。町内での湿原固有種調査も 8、9 月に 2 カ所で行なった。 自生する固有種はほぼなく、今後短期実験地が決定しだい苗や種子からの栽培を行なっていきたい。普 及啓発活動は平成 22 年 7 月に「運河まつり」を開催、幌向運河での川下り等を行ない,47 名が参加した。 10 月には東京農業大学教授石弘之氏を招き「みずとみどりの里づくりシンポジウム」を開催。50 名が参 加し、地球規模での環境問題を考える機会となった。 

今回の事業は蛍やドジョウの育成・放流・観察が主軸のひとつであったが、繁殖の失敗や放流したド ジョウの全滅等で計画の見直しを行なった。私たちの目標は地域全体での環境再生・保全であり、部分 的な復元活動でのつまずきは現状把握のよいきっかけとなった。生物多様性の原点に戻り、水や土の再 生保全を進めることで蛍や植物を呼び戻していく。今回はそのための調査や学習活動が多く、劇的な成 果を得たとは言い難いが活動の方向を示す大きな手がかりを数多く得た。また、今回ともに助成を受け た他 6 団体の専門的な活動はよい刺激となった。将来的には環境再生・保全にとどまらず、それを活か したまちづくり・地域振興活動へと展開していきたい。

特定非営利活動法人ふらっと南幌
助成団体

特定非営利活動法人ふらっと南幌

事業名

「みずとみどりのまち南幌:環境再生・保全事業」