Webレポート
「獲物のあるビオトープづくり」
【室蘭市】NPO法人ビオトープ・イタンキ in室蘭 Webレポート
団体名:NPO 法人ビオトープ・イタンキ in 室蘭(室蘭市)
事業名:獲物のあるビオトープ作り
事業概要:室蘭市潮見公園内で、①植樹、②自然観察会(トンボの羽化等)、③自然体 験学習(校外学習)
北海道 e-水プロジェクトの助成により「獲物のあるビオトープ」の造成は、平成22年 度、大きく前進しました。子ども達が自由に遊び採集もできる「獲物のあるビオトープ」 づくりを進めることにより、彼らの健全な生長と郷土の緑化に寄与することを目的に私達 は活動しています。 太平洋に面し、鳴り砂で知られるイタンキ浜に隣接する潮見公園、 ここは、海浜植物の豊かな群落の砂浜、海岸段丘の草地、小さな沢水のある急斜面から背 後の小山へといくつもの地形的・生物的要素がコンパクトに集中しています。ここに沢水 を利用して水路と湿地を配することにより、ふる里の多様な生き物を育むことができます。 イタンキでの活動は 1)造成 2)自然再生の促進 3)自然体験のサポート の3 つの側面からなっています。
1)造成
活動のスタートは平成10年まで遡ります。なかなか行政の理解を得ることができず、 長い準備期間となりましたが、平成18年から現地での造成が可能となりました。多くの 企業・団体に助成を仰ぎ、平成22年春までに1600㎡の水域を造成してほぼ80%の 進捗となり、来春の工事で造成完了を見通せるところまで来ました。
2)自然再生の促進
再生は「失われた室蘭の湿原」をモデルとしています。造成が進み水域としての力がつ くにつれ、ミズカマキリやガムシをはじめ多様な水生昆虫が見られるようになりました。 トンボは22種を数え、マダラヤンマ、クロスジギンヤンマ、ショウジョウトンボなど注 目すべき種も含まれます。近郊のヘイケボタルの導入・定着にも成功し、平成22年夏「室 蘭にホタル復活」を宣言し、市民観察会を行いました。活動の当初から繁殖・保存してき た室蘭在来の淡水魚トミヨ、エゾホトケドジョウ(絶滅危惧種)なども順調に繁殖し、こ れを狙ってカワセミが姿を見せるようになりました。室蘭では最近は見かけることも無か ったといわれ、カワセミに「合格点」をいただいたと嬉しく思っています。
3)自然体験のサポート
トンボの羽化やホタルなど季節のテーマに沿って呼びかける観察会、数十名の小学生が 長靴にアミを持って参加する授業としての自然体験学習も次第に受け入れ可能となってき ました。トンボや魚の捕れる話が伝わってアミを持った親子の訪れも増えてきました。「獲 物のあるビオトープ」でのトンボ捕りや魚すくい、自然の中から技と工夫で獲物をつかま える体験を多くの子ども達にさせたいと願っています。

NPO法人ビオトープ・イタンキ in室蘭
「獲物のあるビオトープづくり」