Webレポート

事業名

「ニホンザリガニ保全と外来ザリガニ問題を伝える為の啓蒙活動」

【小樽市】ザリガニと身近な水辺を考える会 Webレポート

団体名:ザリガニと身近な水辺を考える会(小樽市)

事業名:ニホンザリガニ保全と外来ザリガニ問題を伝える為の啓蒙活動

事業概要:シンポジウムや展示会、調査会や観察会など啓発活動を通して、ニホンザリガニ保全や外来種問題等の水辺環境の大切さを伝える。また、ホームページや小冊子配布により、情報発信を行う。 

 

当会の活動は清流のシンボルであるニホンザリガニの保全と、生物多様性を脅かす外来ザリガニ問題 についての啓発活動です。事務局は小樽にありますが、活動は全道で行っています。 

絶滅危惧種のニホンザリガニは全道に分布しており、どの地域でも生息地は著しく減っています。し かし、どの程度減っているのかの具体的なデータはなく、知らないうちに生息地が無くなっていたとい う事例も数多くあります。かつてはあまりにも身近な存在であったニホンザリガニは、気づかないうち に静かに姿を消しつつあるのです。 

私たちはニホンザリガニを守るには多くの方々に関心を持ってもらうこと、そしてできれば継続的に モニタリングしてもらうことが大切と考えました。私たちメンバー6 人でできることには限界があります。 そこで私たちと連携しながら、それぞれの地域でザリガニを見守ってくれる「サテライト」的な存在を 全道各地に作っていくことを目指しています。 

また、近年問題となっている外来種は洞爺湖での COP10 をきっかけとして注目が高まり、ウチダザリ ガニやアメリカザリガニについて知る人も増えました。外来種は生物多様性を脅かす存在ではあります が、生き物に罪があるわけはありません。人の手により分布を広げ、旺盛な繁殖力でその地に根差して しまったのです。つまり放した人間の問題であり、これ以上分布を広げないためには何より正しい知識 を普及することが大切と考えています。 

今回の助成金の大半はこうした私たちの啓発活動のための旅費・宿泊費に充てました。お陰さまで 枝幸(オホーツクミュージアムえさし、先方の都合により今年度は事業ができませんでした)、札幌(円 山動物園、定山渓自然の村)、砂川(こどもの国)、えりも(郷土資料館)、小樽(小樽市博物館)、函 館(函館市博物館、北海道教育大学函館校)、釧路(釧路市博物館、釧路工業高校、湖陵高校、NPO 法人環境把握推進ネットワーク-PEG)、標津(北の川探検隊、ザリガニ鑑定団)、栗山(ハサンベツ の会、来年度に観察会開催で合意)と交流ができ、共催の事業や講師派遣を行いました 

以前から協力体制のあった円山動物園でも、動物園という場を生かし、子どもも大人も一緒に楽し くザリガニとふれあい、興味を深めてもらえたと感じています。円山動物園では「ニホンザリガニプ ログラム」に取り組んでおり、当会としてもその PR に協力し、飼育のための情報提供をするなど、良 好な関係を築いています。 

来年度は今年度連携したサテライトとさらに協力体制を深め、継続した事業を展開していきたいと 考えています。各地のサテライトからはザリガニの専門家を派遣できる当会へのニーズは高く、参加 者は熱心にザリガニ博士の話に耳を傾けてくれます。また、

当会としても観察会の進め方やプログラ ムの構成も回を重ねるにつれてスキルアップしてきたと実感していますし、助成金で制作した標本や 冊子はイベントで大活躍しています。 当会はザリガニソン(市民参加のザリガニ調査)に取り組んでいますが、なかなかデータが集積で きないのが実情です。サテライト体制をより充実させ、ザリガニソンへの参加を促すことも来年度で はより発展させていきたいと考えています。

ザリガニと身近な水辺を考える会
助成団体

ザリガニと身近な水辺を考える会

事業名

「ニホンザリガニ保全と外来ザリガニ問題を伝える為の啓蒙活動」